一元的なAIガバナンスでイノベーションを加速

IBM Office of Privacy and Responsible TechnologyがAIシステムの信頼性を高める方法
IBMオフィス内の人々
効果的なガバナンスでビジネス価値を実現

AIイノベーションが加速する中、責任を持って機械学習(ML)モデルを構築、管理するための効果的なAIガバナンスが組織に必要とされています。IBM Office of Privacy and Responsible Technology(OPRT)は、この課題が単なる技術的な問題ではなく、ビジネス上の必須事項であることを認識しています。

長年にわたり、責任あるAIに向けてIBMが取ってきたアプローチは、その基本となる「信頼と透明性の原則」に基づいており、IBM責任あるテクノロジー委員会によって全社的に運用されてきました。2022年にOPRTは、プライバシーおよびAI管理システム(PIMS)を立ち上げました。これはIBMが、信頼性を持ってMLモデルを管理し、プライバシーとAIに関する規制に準拠し、透明性と説明責任を促進するためのものです。

しかし、これらの重要な構成要素は、PIMSと統合されずに、並行して動作していました。組織的なAIとAIライフサイクル・ガバナンスへの取り組みで次のステップに進むために、OPRTはその仕組みを統合し一元化する必要がありました。リスクが高まり続ける中、組織はイノベーションと責任を同等に優先させることができるのか、という疑問が残ります。

58% サード・パーティー・データのデータ・クリアランス要求の処理時間を短縮 62% IBM独自データのデータ・クリアランス要求の処理時間を短縮 2,000以上 再利用の可能性が承認されたデータセットとモデル
私たちは、信頼できるパートナー・エコシステムを構築し、当社自身がトランスフォーメーションから得たのと同じ価値と専門知識を、お客様にも活用いただけるようにしました。
Lee Cox 統合ガバナンス&市場準備担当バイス・プレジデント IBM
スピードと信頼性を備えてAIを拡張

唯一の実行可能な答えは「はい」です。また、OPRTの取り組みは、企業が関連リスクを軽減しながらイノベーションを推進する方法を示す好例です。

確立済みのプライバシーの基盤を基に、チームは責任とコンプライアンスへの統一的アプローチである統合ガバナンス・プログラム(IGP)を開発しました。「包括的なガバナンス・プログラムがあれば、AIによって約束されるビジネス価値と、監視とリスク管理の必要性との間でバランスを取って、責任あるAIを大規模に実現することができます」と、IBMの統合ガバナンス&市場準備担当バイス・プレジデントのLee Coxは説明します。

IBMによって構築、使用されるすべてのデータとモデルを総合的にエンド・ツー・エンドで可視化することによって、IGPはイノベーションと業務プロセスを中断することなく、データ、プライバシー、AI を中心としたガバナンス・ワークフローを拡張します。これはIBM® watsonx.governanceIBM® Cloud Pak for DataIBM Knowledge CatalogIBM® OpenPagesなどのテクノロジーを統合することで実現されます。

事業単位のAIリーダーが主導するこのプログラムは、さまざまな利害関係者に固有の優先事項と利益を考慮しながら、より積極的なリスク管理を実現し、規制要件のコンプライアンス管理に役立ちます。IBMのデータ、AI、ガバナンス担当バイス・プレジデント兼 CTOのSteven Eliukは、次のように述べています。「当社はデータ取り込みプロセスを統合し、調達、研究、開発を合理化して、データ管理の課題を克服しました」

IGPによって統一的な内部データ標準を導入したことで、IBMでは、データの透明性と信頼できるAI開発を実現すると同時に、大規模なイノベーションも可能になりました。

信頼性と透明性を通じてイノベーションを推進

Coxは次のように指摘しています。「データの正確さは基礎に過ぎません。PIMSが土台を作り、IGPがデータ収集を新たな高みへと昇華させ、調達から納品までの全プロセスが調整されました。両者が一体となってダイナミックなデュオを形成し、組織に力を与え、競争上の優位性を獲得する新たな機会を解き放ちます」

このプログラムは、責任を持ってAIを拡張するIBMの取り組みに役立ち、信頼できるAI主導の製品とサービスの開発を推進すると同時に、その運用全体のコンプライアンスをサポートしています。実際、IBM GraniteTMの基盤モデルは、IGPを通じて許可されるデータ・ガバナンスとリスク基準に準拠していることもあり、 その透明性が認められています。

たとえば、IGPの一環として2024年初頭に、強化されたIBMデータ・プロビナンス基準のテストと実装を開始してから8カ月間で、これらの標準はIBMの運用効率の向上に貢献し、次のような成果が得られました。

  • サード・パーティー・データのデータ・クリアランス要求の処理時間が58%短縮されました。
  • IBM独自データのデータ・クリアランス要求の処理時間が62%短縮されました。
  • 1000を超えるデータ・セットとモデルが再利用の可能性を承認されました。

IGPは、質の高いデータへ迅速にアクセスできるよう支援し、開発者が社内使用だけでなく、IBM AIソリューションを使用するパートナーや顧客に対しても、より責任あるモデルやシステムを構築できるようにしています。そして、IGPの適応性により、IBMは現在のテクノロジーへの対応と、エージェント型AIのような新たなテクノロジーへの準備の両方を行うことができます。Coxは次のようにまとめています。「私たちは、信頼できるパートナー・エコシステムを構築し、当社自身がトランスフォーメーションから得たのと同じ価値と専門知識を、お客様にも活用いただけるようにしました」

IBMロゴ
IBM Office of Privacy and Responsible Technologyについて

IBM Office of Privacy and Responsible Technologyは、データ保護と機密保持に関するグローバルなポリシーを監督します。IBM責任あるテクノロジー委員会と協力して、責任あるAIのポリシーと実践に関するガバナンスと意思決定プロセスを指導し、IBM社内の責任と信頼の文化を育みます。

製品・サービス IBM® watsonx.governance IBM Knowledge Catalog IBM Cloud Pak for Data IBM OpenPages
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